校長からのごあいさつ

 半田農業高等学校は、知多地区で唯一の単独農業高校として、地域から親しまれてきました。明治32年4月1日に「知多郡簡易農学校」として創設され、以来120年以上の歴史と伝統を紡いできました。卒業生の多くが地元の知多半島を中心に、農業を始め地域産業の担い手として活躍されています。現在は「農業科学科」、「施設園芸科」、「食品科学科」、「生活科学科」の4学科5クラス(1学年200名)を設置しています。
 農業高校である本校は、食料の生産から加工、消費まで学ぶことができ、環境に配慮した循環型農業や身近な環境問題について学ぶことができます。また、動物や植物、微生物といった生き物を教材として扱うことで、命の大切さを実感できます。
 現代の農業では、社会の変化に対応したAI、IoTを活用する次世代型農業(スマート農業)が求められています。スマートフォンやパソコンで栽培に適した温度や水、肥料の量、家畜の給餌を制御、リモート技術による現場の状況の把握・管理やビックデータを活用する時代になっています。経験を頼りにした栽培や飼育だけではなく、科学的根拠やデータに基づいた栽培管理が必要不可欠です。
 このような農業の動向を見据え、本校も最先端技術の基礎を学び、農業に関する課題等を自ら発見し、解決できる力を身に付けた人材育成を進めております。また、「食の大切さ」「命の尊さ」「飼育栽培の苦労や収穫の喜び」を学ぶとともに、愛知の農業や地域産業を担う有為な若者の育成に全力で取り組んでいます。
 これからの時代は、地域に根ざすことがより大切であると考えています。農業高校生が目の前の地域で汗を流し、地域の方と協働しながら、将来は自らが地域を担う人材として活躍できる、そんな学校でありたいと考えます。
 校訓「強く・明るく・正しく」のもと、命と向き合いながら実験実習を真剣に取り組み、部活動や学校行事で充実した高校生活を送っている生徒の様子を是非ともご覧ください。

愛知県立半田農業高等学校長 内田 昭二